ティッシュから始まった「食」への執着
うなぎをお迎えした日の体重は1.4kg。獣医さんいわく、小柄なポメ柴とはいえ、やせ気味とのこと。
そんなうなぎと暮らし始めて最初にぶつかったのが、「ティッシュを食べようとする」という問題でした。
お迎え当初、ショップで食べていたフードと同じものを、決まった量だけあげていました。店員さんに言われたとおりの適量です。
なのにうなぎは、なぜかティッシュや紙を見ると目をキラキラさせて突進してくる。
最初は「好奇心かな?」と思っていたのですが、噛みついたティッシュを丸のみにされそうになったときはさすがに慌てました。
どうやら白いものに目がないようで、そのうちに、トイレシーツを狙うように。
すぐにトイレトレーをメッシュ付きのものに買い替えなければなりませんでした。
ゴミ箱の中のティッシュ、お掃除用のウェットシート、白っぽいシート状のものは、何でも狙ってきます。
これは単なる「噛み癖」や「好奇心」とはちょっと違う。そう感じたのを覚えています。

まさかの食糞デビュー
ティッシュやシートに興味を示し始めてから数日後、次に待っていたのは、もっと衝撃の展開でした。
ある日、ケージのトイレを片付けようと新しいシーツを手に近づくと、うなぎがじっと見つめているのは、トイレシーツではなく自分が出したばかりのウンチ。本能的に「あ、やばい」と思って駆け寄ったのですが、時すでに遅し。
以来、うなぎの食糞ライフが始まりました。
食糞をされる前に片付ける。徹底して、見つけたウンチは秒で撤去する。
……はずだったのですが、うなぎの食糞テクは日を追うごとに進化し、排せつに気づいた瞬間に二人掛かりで片付けようとしても、間に合わないこともしばしば。
お尻から直接採取する方法を試しましたが、うなぎは最後のひとつぶを時間差で出すという裏技を編み出し、結局食べられてしまうことも。
ウンチをめぐるうなぎ対飼い主の戦いは、1年半ほど続いたのでした。

なぜそこまで? 食への執着の理由を考えてみた
うなぎの強すぎる「食」への執着を見ていると、一つの憶測が浮かびました。
うなぎは赤ちゃんの頃、限られたフードを兄弟たちに食べられてしまい、自分のぶんが回ってこなかったのではないか。ケージに敷かれていた新聞紙、自分の尿やウンチ、それすら口にして空腹を紛らわしていたのではないか。
ただの憶測です。真相は分かりません。でも、お迎え時に1.4kgのやせ気味だったということ、ティッシュやウンチさえも食べようとする必死さを前にすると、そう思わずにはいられませんでした。赤ちゃんの頃の空腹の記憶が、食への執着につながっているかもしれないと思うと、トイレシートを嚙みちぎられたり、食糞に悩まされても愛おしく思えました。
フードアグレッシブにならないための工夫
食糞だけでもなかなか悩ましいのに、これ以上「ごはん問題」を悪化させるわけにはいきません。
フードアグレッシブになってしまうと、今後ずっとご飯のたびに大戦争になる。うなぎのためにも、私たちの精神衛生のためにも、何とかしなくてはと思いました。
そこで試したのが、お皿を手に持ったまま食べさせるという方法。手のひらにごはんを乗せて、一粒ずつあげるイメージに近いでしょうか。次に、フードを入れっぱなしにするのではなく、少しずつお皿に追加していくスタイルに変えてみました。
こうすることで、うなぎにとって「ごはん=奪われるもの」という感覚を薄められたらいいなと思ったのです。
1週間ほどで、お皿を持つのはやめましたが、今でも早食いが気になった時はこの方法であげています。
食事中の攻防は終わらない
問題は、うなぎのごはんの時だけではありませんでした。
私たちがダイニングで食事を始めると、うなぎがソワソワし始めます。そして「俺も!俺も!」とばかりに飛びかかってくるようになりました。
「マテ」と「伏せ」はトレーニング中。ほぼマスターした「オスワリ」のコマンドを試すも効き目無し。うなぎが先か、私たち人間が先か。ご飯の順番を変えてみましたが、どちらも効果なし。
最終的に、同時にごはんを食べ始めるという事で落ち着きました。
うなぎが成長するにつれ、飛びかかることは減りました。けれど、今でもうなぎはダイニングテーブルの脇を陣取り、ジーッと熱い視線を送ってきます。そのプレッシャーに耐えかねた私は、すっかり早食いに。うなぎに食事を支配されている人生は今も継続中です。

試行錯誤のうえ、フルコースに
1.4kgでやってきたうなぎは、今ではすっかりポメ柴らしい丸っこい体型になりました。
ティッシュや紙を食べようとする悪癖はほぼなくなり、食糞もほとんどしなくなりました(たまに匂いを嗅ぎに行きますが、秒で食べられるという事はなくなりました)
それでも、食への関心は相変わらず強め。
朝食と夕食は、私たちとうなぎが同時に食事をするので毎回バタバタです。
特に、夜のごはんタイムは、うなぎにとっての一日の中で最も幸せな時間。試行錯誤の末、うちではフルコースと呼んでいる食べ方になりました。フルコースの中身は、また別に書きたいと思います。
手間はかかりますが、うなぎの場合は、少しづつ時間をかけて食べさせた方が、同じ量でも満足してくれるようです。
とはいえ、何が正解かは今もわかりません。食に関しては、これからも、ずっと模索していくのだろうと思っています。
※獣医師ではありません。うなぎとの暮らしの記録です。


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